私の寄り道日記2
2024年11月13日
私の寄り道日記2
ひんやりした風が金木犀の香を載せて、遅かった秋が来た。「春と秋が短くなった」そんな思いの中、関西在住の同級生から同窓会の呼びかけに応じ、熊本からの同窓生3人、新幹線で会場の大阪へ向かった。
久しぶりに顔ぶれは、卒業以来というのも居て思い出すまで少々時間がかかったものの徐々に、田舎時代の思い出が次々と蘇り、2次会、3次会と時間が経つのも忘れ気づいたら日をまたいでいた。
翌日、同窓会の余韻を残しつつ、今回の旅の、もう一つの目的地へと向かった。それは「足立美術館」だ。島根県にあるこの美術館は、安来市生まれの足立全康氏が、紆余曲折、様々な事業を興し郷土への恩返しと島根県の発展のためになればと、自費で創設したと言われている。
魯山人、横山大観の作品とともに日本庭園美しさで有名で、私の中でずっと訪れたい場所の一つだ。
新幹線で大阪から岡山へ向かい、そこからレンタカーで島根へ向けて出発。約2時間程の工程だがもう若くは無いので、途中、サービスエリアで休憩し安全運転を心がけてし、島根に向けて走り出す3時間強で島根の宿に到着。
早速温泉へ、知らない道の運転での疲れをとるべく、ちょっと熱めではあったが暫し、湯船に体を沈める、そのあとのビールが楽しみだ。後は島根の地酒を楽しむ、島根県は
日本酒発祥の地とされ、弥生時代から多様な酒造りが伝わっているらしい。
いろいろある中で「月山」という酒を選ぶ米の旨味を最大限に引き出し、グレープフルーツの様な風味で切れが良く飲んだ後にふわっと旨味が追いかけて来るようで飲みやすい酒であったが、一人酒だし明日の運転もあるので、2杯だけにし、明日の美術館に思いを馳せ早めに床にはいる。
翌朝、開園早々入館し、早速順路に従って歩み進め、外に目をやると早速、驚かされる、広がる庭の中に配置された池、白い砂利、精緻に剪定された木々が作り出す風景、どこを切り取っても1枚の絵になる光景に時間が止まったような感覚になる。2階に移ると此処では横山大観、北大路魯山人等多くの作品に圧倒される、改めて此処のコレクションの素晴らしさを心に刻み、美術館を後にし熊本に帰るべく、車を岡山に向け走り出す。次は此処だけを目的に来ることを私自身に誓いながら。